電子オルガン奏者の振り見て我が身を振り返る

小学生の頃、エレクトーンを習っていました。
エレクトーンというのはヤマハの商標なので、一般名詞では電子オルガン。

学生時代の知り合いで、プロの電子オルガン奏者(エレクトーン奏者)になった人がいます。
ずいぶん前になりますが、その人の演奏を聞きに行きました。
カフェを貸切にしたミニライブで、ジャンルとしてはコンテンポラリーなのかな。
その人自身が作曲した曲を演奏する。
興味深く、面白く拝聴したのですが、ひとつの疑問が浮かびました。

プロの電子オルガン奏者っていったいなんなのか?

調べてみると、
ひとつは野球場などスポーツ会場で試合の合間合間に流れる音楽を演奏する人。
その他大小各種イベントなどで必要なのでしょう。
もうひとつは音楽教室の先生。
エレクトーンという楽器自体、日本の(ヤマハの)音楽教育システムとともに発展してきた経緯があります。

まあしかし、ピアニストやキーボーディストに比べるとニッチというか、マイナーっぽい。オーケストラと共演もしなければ、バンドに参加もしない。(私の知り合いの方は他ジャンルの方と共演されたりして活躍されているようなのですが、やはりもともと知り合いでなければ私が知ることはなかったと思うので……)

これ以外に教会のオルガンを演奏する人(元々のオルガン奏者はこっち)、ハモンドオルガンを演奏する人なんかがいるけど、今回はパイプオルガンから派生したこちらのジャンルには触れません。

で、さらに調べていくと、どうも電子オルガン奏者共通の苦悩があるみたい。
曰く、「電子オルガンの音楽上の特色とはなにか?」

電子オルガン自体の特色というのはもちろんあって、それは一人で言わばバンドの全てのパートを演奏できるというところ。右手で主旋律。左手でコード。左足で ベース、右足で音量をコントロールして、さらにリズムマシンがついている。なんというかチンドン屋的というか大道芸人的なところがあります。

当初は中身はアナログシンセサイザだったので、良くも悪くも電子オルガン独特の音がしていたけど、どんどん技術が進化して、今の最新モデルはサンプリング音源でいろんな楽器のリアルな音が出る。そのことが逆に電子オルガンとしての存在意義を弱め、単なる「代わり」にしてしまっているんじゃないか?オーケストラでは規模が大きすぎるから電子オルガン、バンドでは予算が足りないから電子オルガン。

じゃあ電子オルガン用の曲ってなんなのか?
バンドスコアをただ演奏すればいいのか?
演奏の仕方は個々の楽器を真似りゃいいのか?

まあおおざっぱではあるけど、こういう“電子オルガン奏者の”葛藤があって、そこから出発して個々の回答を導きだしていくらしいです。電子オルガン奏者の方がもしこれを読んだら、それは違う!とかあるかもしれないけど。

で、私が思ったのは、“電子オルガン奏者の”アイデンティティなんてどうでもいいじゃん。
大事なのは、いい楽曲を作ることだったり、いい演奏をすることなんじゃないの?ということです。
楽器は音楽を奏でる手段であって目的ではない。

ふと我が身を振り返ると、アニメとアニメーションとか、アナログとデジタルとか、ものすごく些末なことに拘泥している自分に愕然としました。

細かいことはどうでもいいから、いいものを作らなきゃな。