アートディレクターという仕事は何をどうするお仕事なのでしょうか?

L_cecfa37951e91a72070e1f2406f8f470ちょっと自分のことは後回しで説明します。特殊事例なので。
定義はWikipediaでも読めばわかると思うんですが、業界によってやることは結構違います。

まず広告。
クリエイティブディレクターが言わば監督で、プランナー、アートディレクター、コピーライター、デザイナーなどがその下で働きます。
アートディレクターはビジュアルの責任者です。
グラフィックデザイナー、ウェブデザイナー、スタイリスト、カメラマン、モデル、イラストレーターなど、ビジュアルには多くのスタッフが関わりますが、それらを取りまとめます。

その他、デザイン分野としては、プロダクトやエディトリアル(編集)などいろいろあるけれど、アートディレクターは基本的にデザイナーの上司で、取りまとめるのが仕事。編集者や開発者など、他業種の人との打合せをして、デザインの方向性を検討、提案します。
例えば雑誌の1ページ1ページはデザイナーがデザインするけど、雑誌全体のデザインの方向性、どのデザイナーにどこを担当させるのか、などは、アートディレクターが決めます。

たぶん今国内で “アートディレクター” と名乗っていて一番著名な方は佐藤可士和さん(ただの敬称です。面識ありません)だと思うのですが 、彼は広告業界の中のポジションとしては、当然アートディレクターではなく、クリエイティブディレクターです。
ただし、広告の枠に収まらないブランディングやディレクションを数多く手がけていて、それらを総合的に表す職業として “アートディレクター” を名乗っているのだと思います。ビジュアル部門の責任者、ではなく、ビジュアルで問題解決するコンサルタント、というようなイメージ。

さて、デザイン業界以外にもアートディレクターを名乗る人がいる業界があります。

ゲーム業界です。
ゲーム業界にもデザイナーがいて、ある程度以上の規模のプロジェクトだとアートディレクターがいます。
キャラクターデザイナーとは別に、です。
ただ、やることの範囲はバラバラで、インターフェースや、イメージボードなど、比較的わかりやすいものから、背景や衣装やステージまで担当したり、様々です。
最近だとソーシャルゲームのアバターやアイテムを作成するのもデザイナーかもしれない。
また、ゲーム業界の場合、ディレクターのことをゲームデザイナー、と呼ぶのも、若干他業種から見ると紛らわしいところではあります。

あと、国内ではあまり呼ばないですが、「日本の」アニメーションの美術監督(背景画の監督)のことを海外ではアートディレクターと呼びます。まあ直訳ですね。
これは日本独自の役職で、アメリカではバックグラウンドスーパーバイザーとか、そんな感じの呼び方をします。

他にもファッション業界や放送業界にもアートディレクターはいるかな、とは思いますが、すみません、そのへんはよく知らないのでパス。

さて、私ですが、複数の業種にまたがって仕事をしているので、それぞれ肩書きが違います。

アニメーション業界内での役職:アートディレクター
海外向けの作品に割と多く携わってたのもあって、名刺にはこう刷られていました。
実態は美術監督ではなくて美術チーフくらいでしたね。
こちらはたまにお手伝いをしますが、今はほぼ廃業状態。

広告(SP)業界内での役職:プランナー/デザイナー
セールスプロモーションは広義の広告ですが、業界内では分けて考えられてます。
お金の交渉・管理以外はほとんどなんでもやりました。というかやってます。企画考えてプレゼン資料作って、通ったらアイテム、パッケージから説明書まで作る。直接作ってるのでアートディレクターとは呼べないですね。デザイナー。

ゲーム業界内での役職:ディレクター
ディレクター、というと偉そうですが、私は開発会社(有り体に言えば下請け)のディレクターなので、クライアントのディレクターなりと打合せして、それをスタッフに割り振ってチェックして、クライアントに提出する、という感じです。発表会で壇上に立つ人ではない。外部(つまり孫受け)に仕事を発注もするし、自分でもキャラクターデザインもやるし、背景も描くしいろいろ。

専門学校での役職:非常勤講師
なんか複数の科にまたがって色々教えてます。デザインだったりイラストだったりゲーム制作だったりアニメの背景だったり。

自分でもなにがなんだかわからないので、便宜的にアートディレクターと名乗っています。
本来のデザイン業界や広告業界のアートディレクターの方、東京アートディレクターズクラブに所属されているようなピンキリのピンの方には本当に申し訳ないです。
http://www.tokyoadc.com/