アニメの背景画とPhotoshop

日本のアニメーション業界のデジタル化というのは、「仕上げ(キャラクターの色塗り)」と「撮影(コンポジット)」においてはほとんど100%完了している。
現在、唯一アナログ彩色、アナログ撮影をしているのは「サザエさん」。

この2つの行程はデジタル化によるメリットが大きく、移行時の弊害もそこそこに、瞬く間にデジタル化された。

じゃあこれ以外の行程、大きく分けて、「作画」と「背景美術」はデジタル化されないのか?といえば、デジタル化していこうというムーブメントが一時的に起こったり、会社単位で言えばデジタル化した所はあれど、未だに業界全体がデジタル化の方向に動いているという話はない。

なぜデジタル化していかないかといえば、理由は簡単で、デジタル化しても撮影やペイントほど効率化するわけでもなく、それでいてアナログの風合いが無くなってしまうから。

それでも「背景美術」に関しては少しづつデジタル化が進んでおり、2007年現在、統計を取ったわけではないけれど、たぶん制作されている作品の半数ぐらいがデジタル上で作られている。
具体的には、Adobe Photoshopで一から描かれている。

今まで筆で画用紙にポスターカラーで描いていた人がペンタブレットを使ってパソコンのモニタを見ながら絵を描くわけだ。
面白いもので、Corel Painterをメインで使っている背景会社というのは聞いたことがない。
(補助的に使っていたり、テストで使ってみてやめてしまったりというところはある)

私もそういう立場で業界に携わっているひとりだが、その具体的なノウハウというのははっきり言って既存の書籍やサイトにはほとんど載っておらず、独自に編み出したものが多い。
その一例がブラシのカスタマイズ。
いま世界中の多くのサイトでフリーのブラシが配布されているが、そのほとんどが、画像を「ブラシに定義」しただけの、いわば「デジタルハンコ」に過ぎない。
既存の本にはブラシパレットのパラメータの説明は書いてあっても、それをどう使えばどういうブラシができるかは書かれておらず、さらに謎なのが、Photoshopにあらかじめプリセットとして登録されているブラシがショボ過ぎる。

だから自分で作る。
ハンコじゃなくて、画材として使えるブラシを。
シーンの前後が画用紙にポスターカラーで描かれた絵であっても、全く違和感がないデジタル背景を効率よく作らなくてはならない。
幸いPhotoshopは画材として使うための高度なカスタマイズ機能が随所にあるのだけど、その意味を完全に理解して、いじれる人はあまりいないようだ。

ブラシ以外にもTipsを挙げていったら本一冊書ける気がする。

Adobe Photoshop CS5 Windows版 (32/64bit) Adobe Photoshopシリーズ
アドビシステムズ

Wacom プロフェッショナルペンタブレット Mサイズ 紙とペンに迫る書き味 Intuos4 PTK-640/K0 Wacom ペンタブレットシリーズ
ワコム