コンピュータ上で描画する際には必須と言えるペンタブレットと、画面のアスペクト比(縦横比または横縦比)の関係の話。
結論から先に書くと、タブレットとモニタのアスペクト比は同一が好ましい。
タブレットでデファクトスタンダードと言えるワコム。
その現在のラインナップを見てみると、
- A6ワイドサイズ
- A5サイズ
- A5ワイドサイズ
- A4サイズ
- A3ワイドサイズ
などとなっている。
過去には正方形サイズなどもあったが、現在は無くなっているようだ。
まずこのA4とかA5という単位がくせ者。
ワコムのラインナップの場合、これは単に長辺の長さを指す単位であって、実際にはアスペクト比は4:3だ。
ちなみにA4などのサイズは実際にはほぼ黄金比の1.414:1。
でも昔はほとんどのモニタが4:3のアスペクト比だったので、このサイズはなかなか合理的だったのかもしれない。
でも今発売されているモニタを見てみると、大体8割以上が16:9のワイド画面。
今からタブレットを買う人は、はっきり言って、ワイドタイプのモデルを買ったほうがいい。
タブレットを使うときは、通常手元を見ずにモニターを見て、ペンを動かし、絵を描く。
例えば最もポピュラーなA5サイズのタブレットとワイドスクリーンモニタを併用すると、このようなことが起こる。
ちなみにこれは現在の私の自宅の環境でもある。
スタンダード二画面を横に並べたマルチモニタ環境だともっと極端になる。
横が50%に圧縮されてしまうわけだ。
これは私がアニメ会社に勤めていたときの環境で、プロでこのような環境の方はそれなりにいると思う。
実は毎日そういう環境で書いていると、その環境自体にはすぐに慣れることができる。
手元は見ないから、作業中とくに違和感は無い。
しかし、これに慣れてしまうと、困ったことにアナログの手描きでまともな円すら描くことができなくなってしまう。
左右のストロークが自分の感覚と手の動きに差が出てきてしまうのだ。
これは困る。絵描きにとっては死活問題かもしれない。
この問題をタブレットを買い直さずに解決する方法はいくつかあって、そのひとつが、タブレットの環境設定でマッピングの設定をすること。
上の画面はMacのものだけど、もちろんWinでも同様の設定ができる。
ここで、モニタとタブレットのアスペクト比が同じになるように設定すればいいのだ。
つまり、モニタの右端をタブレットでは対応しないようにしてしまうか、
逆にタブレットの上端をモニタでは対応しないようにしてしまう。
この方法の弊害は、モニタの右端をタブレットでは対応しないようにした場合は画面上で移動できない部分ができて不便だし、タブレットの上端をモニタでは対応しないようにした場合は作業領域が狭くなってしまうこと。
だけど、「描く感覚」には変えられないだろう。
特にマルチモニタ環境の方は一度よく考えたほうがいい問題だと思う。
ワイドサイズのタブレットを使っても、モニタのアスペクト比とかなりのズレがあるのだから。
※追記
その後発表されたintuos4シリーズでは上記のようなサイズ表記をやめて、Small、Medium、Large、Extra Largeというサイズ展開になり、アスペクト比は16:9に統一された。
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