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「レイ・ハリーハウゼン大全」を購入&レビュー

発売日に購入したにもかかわらずレビューがかなり遅れてしまったが、ついに来た。
アニメーション(アニメ、ではない)、特撮好きの人なら必携の一冊。

4309270824 レイ・ハリーハウゼン大全
矢口 誠
河出書房新社 2009-02-26

河出書房新社サイトより

「特撮の神様」の全てが詰まった完全保存版。公開作品から幻の未発表作品まで、貴重なスチール、メイキング写真、デザイン画他700点の図版と共にハリーハウゼン自ら解説。オールカラー。

しかしそれよりも本の帯に記されている著名人の言葉の方が重みがあるかもしれない。

「レイはつねに新しく、けっして古びない。」
──レイ・ブラッドベリ(作家)

「私たち、特殊効果に関わるすべての人間が、
レイから絶大なインスピレーションを受けている。」
──ジョージ・ルーカス(映画監督/プロデューサー)

「僕はレイのすべてから影響を受けた。
彼の画期的な映画群には驚嘆するほかない。」
──スティーヴン・スピルバーグ(映画監督/プロデューサー)

「僕の映画におけるすべての創造物は、レイの「孫」だと言ってもいい。」
──ジェームズ・キャメロン(映画監督/プロデューサー)

「彼は永遠にストップモーション・アニメの王様だ。」
──ニック・パーク(「ウォレスとグルミット」監督)

なぜピクサーの「モンスターズ・インク」に出てくる日本料理店の名前が「ハリーハウゼン」なのか?
ハリーハウゼンという名前を知らなくても、彼の影響を受けた映画を観たことが無いという人はまずいない。
ちなみにこの本の原版はこれ。

Ray Harryhausen: An Animated Life Ray Harryhausen: An Animated Life
Ray Bradbury

しかしこの本は図版も豊富だが、ハリーハウゼンの自伝としての側面も強く、文章量が多いので、やはり邦訳されたことに意義があると思う。英語が堪能で無いなら、差額2000円を払う価値はもちろんある。

harryhausen_page
河出書房新社サイトより
中身はこんな感じ。ストーリーボードと最終的なフィルムとの対比という左ページのような構成がこの本の中では典型的。
テクニカルな部分はもちろん、作っていく過程での紆余曲折など裏話がこれでもかとでてくる。
実は特撮に限らず映像製作に関わっている人なら参考になる話題も多い。
3DCGをやっている人とかにも大いに参考になるのではないか。

この本は2003年に出版されたものの邦訳版だが、2年後の2005年にこれが出版されている。

0823084647 Art of Ray Harryhausen
Peter Jackson
Watson-Guptill 2008-12-09

ハリーハウゼンの画集の決定版。こちらは洋書でも全然問題ないと思う。
さらに2008年に以下の本が(私は未見なのだが)。

0823099806 A Century of Stop-Motion Animation: From Melies to Aardman
Ray Harryhausen
Watson-Guptill 2008-09-30

訳者あとがきによると

モデルアニメーションの歴史を詳細に解説したヴィジュアル・ブック

だそうだ。つまり、「キングコング」のウィリス・オブライエンなど、ストップモーション・アニメーション黎明期の偉人なども総括した内容なのだろう。
私自身近々購入予定。