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「ディズニー初期原画を返還へ」について

こんなニュースがあった。

ディズニー初期原画を返還へ=「眠れる森の美女」など250点−千葉大
千葉大学(千葉市)は18日、同大工学部棟で発見された米ウォルト・ディズニー社の初期アニメ原画約250点を同社に返還すると発表した。良好な状態での保管が難しい上、より幅広い活用が重要と判断した。
原画は、世界初の全編カラーでアカデミー賞を受賞した「花と木」(1932年全米公開)や、日本でも人気の高い「わんわん物語」(55年同)、「眠れる 森の美女」(59年同)などのセル画や背景画。60−61年に国内の百貨店などで展示後、寄贈を受けた国立近代美術館(現東京国立近代美術館)が63年、 アニメを研究していた同大の故源田秀三郎教授に譲ったらしい。
教材に活用しようとした同大側が2004年、ディズニー社に著作権について問い合わせて貴重な資料と判明。保存状態が良く、06年7月から1年近くかけて全国5カ所で一般公開された。
返還後は米カリフォルニア州にある同社のアニメーション・リサーチライブラリーに収められるという。
3月18日11時32分配信 時事通信

「より幅広い活用」というのが何を指すのか分からないけど、現在のディズニーのライブラリーはものすごく厳重で、活用どころか今後人の目に触れる機会は無いかもしれない。

私はディズニー時代、過去の名作の続編を作っていた。
「くまのプーさん」シリーズや、「101匹わんちゃん」や「シンデレラ」など。
それら続編の出来はさておき。

続編を作るからには過去の元作品の資料が必要になる。
だから監督なりスタッフは上述のライブラリーに行って過去の資料を探すことになるわけだが、なんと持ち出し禁止なのだ。だから閲覧のみ(コピーはとれるかも)。
昔は割と管理がルーズで、資料が散逸してしまったというから、その反省を踏まえてなのだろうが、「続編を作れ。でも元の資料は渡さない」というのはちょっとひどい、とスタッフがボヤいていた記憶があるような。
余談だが、昔はロサンゼルス近辺のガレージセールでは貴重な原画などが二束三文で売りに出されていることがあったようだ。例えば死んだおじいちゃんがディズニーのアニメーターだったりして、家族が価値を知らずに売るわけである。
まあ最近はなかなかそんなことは無いと思うけど。

資料が日本で発見され、展覧会が行われて、多くの人が目にしたというのは、実はアメリカにあるよりも幸せな出来事だったのかもしれない。