7月6日(木)
「ピクサー・アニメーション・スタジオのマット・ペインターが語る「カーズ」製作秘話」
というイベントに行ってきました。
場所はApple Store, Ginza。
社外勤務届が受理されて、交通費も支給。ラッキー。
イベントの詳細が記事になっているので、詳細はそちらをお読みください。
感想はというと、とても面白かったです。
イベントが終わった帰りに、近くにいた学生らしき人が
「マットペイントがどこで使われたとかじゃなくて、どう描いているかを見たかった」
みたいなことを話していて不満そうだったのですが、僕は全然気にならなかったです。
というか、どう描いているかは、「Mac上のPhotoshopで描いています」の一言が全てだったと思う。
技法を言えばキリがないけど、それは絵の具で描く絵と基本的には同じ。
むしろ、ピクサーの作品であれ、なにも特別なテクノロジーが使われているわけではない、ということがわかった気がして、なんだかやる気が湧いてくる気がしました。
自分の日々の仕事と地続きな感じがした、というか。
といいつつ、どうやら「カーズ」の路面は自動的に作られる別のプログラムがある様子でしたが。
質問コーナーの時に
「3Dの勉強をしているんですけど、ピクサーに入れてください」
っていう女の子がいました。
いつも思うんだけど、なんでピクサーに憧れてピクサーに入りたいっていう人は、決まって3DCGの勉強をするんだろう?
デジタルハリウッドに通ったって入れっこないのに。
まるでK-1に出たいからって空手の通信講座を始めるようなもので、全然意味が無い。
それにたぶんピクサーのスタッフ(現在、800人くらい)で、直接3DCGのソフトいじっている人って半分もいないんじゃないかなぁ?
それよりはカルアーツ(カルフォルニア芸術大学:ウォルト・ディズニーが提唱した)に入れるようにまずは英語とデッサンの勉強をはじめた方がいい。
日本のアニメやCGの業界は恐ろしいまでに学歴とか関係なく、ひたすら現場の実力主義で、それはいいことなんだけど、それだと日本以外じゃやっていけない。
ピクサーって一見華やかな3Dを使ってるけど、そこにある哲学はディズニーから続くオーソドックスで、アカデミックな実力だと思う。
つまり、高学歴な人が、高収入で、高水準のモノを作る。
日本で言うと、広告代理店のようなものだろうか。
日本のアニメ業界の現場主義は、低賃金の水準が変わらない原因のひとつなんじゃないかと思ったりもする。
7月7日(金)
この夏の劇場版アンパンマンの慰労会(打ち上げ)に行ってきました。
新宿アイランドタワー。日本マクドナルド本社が入っているビルです。
私は併映の短編に関わっていたのですが(といっても納品データのまとめ、修正くらいでほとんど絵は描いていません。エンドロールの名前も無し)、原作者のやなせさん曰く、
「劇場版17年目にして、やっと満足のいくものができた」と出来に満足されていたそうで、嬉しい限りです。